Claude Levi-Strauss

「マルセル・モースの業績解題」

クロード・レヴィ・ストロース 「マルセル・モースの業績解題(『社会学と人類学』への序文)」読書ノート*「マナ型の観念」と「浮遊するシニフィアン」に関連する箇所の抜粋 P240 マナといった型の諸概念は、あまりに頻繁にみとめられ、かつ広く分布している…

『親族の基本構造』1章

レヴィ=ストロース『親族の基本構造』読書ノート 福井和美訳 2000 青弓社 序章 第一章「自然と文化」 自然状態と社会状態の区別にかかわる原理ほど確信をもって退けられてきたものはない。しかしこの区別にはもっと価値ある解釈を受け入れる余地がある。 エ…

『野生の思考』7章

クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』読書ノート 7章 種としての個体 固有名と分類体系►厳密な意味で固有名と認められる名前と、一見そうではない名前の関係はいかなるものか。Exペナン族の人名体系£三種類の名個人名(固有名) 親名:誰々の父(母) …

『野生の思考』6章

クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』読書ノート 第6章 普遍化と特殊化 歴史と体系の間に►歴史と体系の間には二律背反性が見出されると信じる人もいるが、いままで検討してきた例には、そのような二律背反は見出し得ない。両者の間には、移行相を形…

『野生の思考』5章

レヴィ=ストロース 1976『野生の思考』読書ノート 第5章 範疇、元素、種、数 トーテミズムという名のもとにでたらめに一まとめにされたさまざまな信仰や慣習は、一つもしくはいくつかの社会集団と、一つもしくはいくつかの自然領域の間に実体的関係があると…

『今日のトーテミスム』5章

クロード・レヴィ=ストロース『今日のトーテミスム』[1970仲沢紀雄訳 みすず書房] 第5章 心の中のトーテミスム ラドクリフ=ブラウンの先駆者ベルクソンとルソー <ベルクソン> 1958『道徳と宗教のニ源泉』のなかにみられるラドクリフ=ブラウンとの類似…

『今日のトーテミスム』3章

クロード・レヴィ=ストロース 『今日のトーテミスム』読書ノート [1970仲沢紀雄訳 みすず書房] 三章 機能主義的ト―テミスム <マリノフスキーの総合> エルキンは、一方でラドクリフ・ブラウンの教訓から先人達よりも緻密な分析を行い、他方ではマリノフ…

『今日のトーテミスム』1章

スペルベルの議論についての考察を開始する前に、まずはその第一の参照点となっているレヴィ=ストロースの議論を再考する必要もあるかと思い、数年前に作成した読書ノートを以下で再録しておく。 クロード・レヴィ=ストロース『今日のトーテミスム』 [197…

デリダの穴

下記の論文については、いずれ詳細に検討する必要があると思われるが、 まずはレジュメをアップしておく。 J・デリダ(1967)1983「人文科学の言語表現における構造と記号とゲーム」)(『エクリチュールと差異』第10章。野村秀雄訳 法政大学出版局) ➠>とでも…

人間の自然化

レヴィ=ストロースほどラディカルな人類学者はいない*1。 そして従来の理解はその根本を完全に外している。 そろそろ、この根拠のない直感を実証するための準備を始めることにしよう。 構造人類学は野生人の認識論ではなく野生の存在-認識論である。 そんな…