2008-01-01から1年間の記事一覧

Alfred Gell『Art and Agecy』読解7(発展的論考)

これまでの『Art and Agecy』読解をもとにして総括的に文章を書き、研究会で発表を行いましたので、リンクを貼っておきます。1〜6まではほぼ読書ノートですが、この文章はGellの議論をどのように理解し発展させることができるかという点から、特にパース由来…

世界に対して文句があるんなら子供なんて作るな

再び村上春樹。前とは違う側面から若干の考察。 [羊をめぐる冒険(上)P253] (友人と二人で経営していた小さな翻訳会社をやめ、 冒険を開始しようとする「僕」と、 彼を会社に留めたいアル中気味の友人との電話での会話) ・・・ 「僕は君とは違うんだ」…

最も私的なものは最も普遍的なものでもあるということについて

ここ1週間ばかり、 漠然とした必要に駆られて村上春樹を再読している。 毎日寝る前に2時間ほど、デビュー作から順番に。 村上の小説、特にその初期において顕著な特徴に、 登場する人物の多くが固有名をもたないことがある。 例えば「高校時代レコードを借り…